大日本人
<ストーリー>
一台のバスの中でインタビューを受ける男。名前は大佐藤大(だいさとうまさる/松本人志)。大佐藤はいつも折りたたみの傘を持ち歩き、いつも力うどんを好んで食する。彼は日本の伝統的な職業に就いていて、犬好きの女性マネージャーがいる、、、etc、、、何かと[謎]の多い男、大佐藤大。公園でのインタビュー中、大佐藤の携帯電話が鳴る。少し焦り始める大佐藤。彼は言った。「化けますので」、、、
ヒトシ・マツモトのセカイ

今まで数々の笑いとコント作品を生み続けて来たダウンタウン松本人志の初監督作品『大日本人』。製作は極秘で忙しいスケジュールの合間を縫う様に約1年と言う期間を掛けて撮り上げた話題作です。

これから観る方の気持ちを配慮しまして多くは語りません。ただ皆さんが気になっているのはこの『大日本人』は一体どんな作品(内容)なのか?ですよね?マスコミでも殆ど何も知らされていませんが監督本人が言っていた言葉をお借りますと、この『大日本人』は[ヒーロー]ものです。タイトルに偽り無しです(^_^;)

正直言いますと、本作は[映画]では無くて[フィルム・コント]です。今まで松本人志がテレビやセルビデオで発表してきた数々の企画や[コント]が凝縮された、まさに[ヒトシ・マツモト]の世界そのものです。ですので、その辺のノリや感覚に慣れていない人は「ついて行けない」若しくは「(素直に)楽しめない」かも知れませんね。私はかなり好きですよ、この『大日本人』。おそらく当然、評価は[賛否両論]となるでしょうが、私は数少ない[賛]派としてコメントをさせて頂きます。

物語は日本の伝統的な職業(=大日本人=ヒーロー)に就いている大佐藤をデリカシーの無いスタッフがカメラを回しながらインタビューを続けていく所謂[ドキュメンタリー]手法で淡々と描かれて行きます。インタビューするスタッフと大佐藤との会話の[間]から生まれる笑いは勿論、松本人志が得意とする[哀愁]と[シュールリアリズム(ナンセンスも含む)]を存分に堪能出来ます。ヒーローものではありますが[強さ][偉大さ]は描かれません。どちらかと言うと「哀愁」や「恐怖」「どん底」。それら人間の[負]の要素は[笑い]と[表裏一体]だとよく聞きますが、まさにその笑いがこの『大日本人』に存在しているのです。

監督は偶然だと言ってましたが、本作では[高齢化社会(介護)][熟年離婚][世襲]等と言った現代社会が抱える問題をも浮き彫りにしています。ある意味で本当のリアルな[ヒーロー作品]なのかも知れませんね。そんな日々を暮す中、大佐藤は一体どうなって行くのだろうか?大佐藤に幸福と安らぎはいつ訪れるのだろうか?そんな不安と期待を抱きながら画面に釘付けになっている観客の気持ちをバッッッッッッッサリ!と切り捨てる(&裏切る)様な驚愕のラスト!!

ヒトシ・マツモトの世界に慣れていた私でさえ「ポカ〜〜〜ン」となりました。まさに松本人志[してやったり]ですね(^_^;)「笑いはオリジナリティが全て」と言っていましたが、これこそソレ!エンドクレジットはもう一人で爆笑してしまいましたから、私。正直このラストは(も)[賛否両論]になるでしょう。松本人志の事をあまり知らないでマスコミに流された感じで観ちゃった人は、怒って帰る人もいるんじゃないでしょうか?私と同じくそこが許せた(=笑えた)人はチケット代にお釣が出た事でしょう♪DVD出たら欲しいです(^o^)/

最後に余談を2つほど。タイトルの『大日本人』は「だいにほんじん」と読むのですね。私が関西人だからでしょうか?そうしても「だいにっぽんじん」と読んでしまいます。あと、カンヌの云々で騒がれてしまってマスコミはこぞって監督・松本人志と監督・北野武をよく比較(対決)みたいな話題をふっていましたが、私的には違うなぁ〜と思います。どちらかと言うと松本人志の相手は[三池崇史]監督では?
評価:★★★★
監督:松本人志
出演:松本人志、UA、竹内力、神木隆之介、板尾創路、海原はるか、他

2007年度 日本作品/上映時間:1時間53分/鑑賞劇場:なんばパークスシネマ(大阪・難波)

レビューの評価ポイントは (BAD) 〜 ★★★★★(GOOD) の10段階評価です
・・・1点 ・・・0.5点 ★★★★★・・・特星/個人的最高傑作

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