スパイダーマン3
<ストーリー>
グリーン・ゴブリン、ドック・オクとの戦いを経てニューヨークを守り続けて来た[スパイダーマン]=ピーター・パーカー(トビー・マグワイア)は市民からも愛される存在となり、恋人のMJ(キルスティン・ダンスト)との関係も順調だった。ヒーローとして、人として幸せな日々を送っていたパーカーに新たなる試練が迫っていた。それは、叔父ベンの仇であり、親友ハリーからの復讐であり、宇宙から飛来した謎の液体生物であり、[自分自身]との戦いでもあった、、、
面白いと言うより映像が凄い完結編

マーベル・コミックの人気ヒーロー[スパイダーマン]の活躍と、ピーター・パーカーの成長を描いたアクション大作の第3弾がついに登場です!監督は前2作と同じサム・ライミ。出演もトビー・マグワイアを始め、キルスィン・ダンスト、ジェームズ・フランコ、ローズマリー・ハリスと言ったお馴染みのキャストです。

第四弾製作の噂もありますが、見た感じとりあえずは本作で一旦完結なんでしょうね。第一作から引っ張って来た様々な[伏線]は本作の[最大のテーマ]でもあります[許す]事によって全て解決されます。原作同様、この先も数々の試練が待ち構えているのでしょうが[ピーター・パーカー青春編]は輝かしい光と共に幕を閉じました。

今回の『3』は140分と言うシリーズ最長のランニング・タイムで、製作費も(今の所)史上最高の3億ドル!主人公ピーターとヒロインMJの恋の行方、親友ハリーとの友情劇、伯父殺害の真犯人への復讐心、と様々な試練と人間模様が交差して主人公ピーターの悩みや葛藤、そして決意・選択をしていく姿を描いていますが、残念ながらドラマ部分はどれも若干、中途半端な印象を受けました。クライマックスのハリーとの[アレ]だけは別格ですが。一応、ラストとして[まとめた感]はありますが、悪く書きますと色々な事を詰め込み過ぎている様にも思えます。その辺がいかにもアメコミ作品と言う感じで面白いんですけどね(^_^;)。

膨大な製作費を掛けた事もあってアクション(VFX)・シーン本当には凄いです。正規入場料でも十分お釣が出るくらいの贅沢感に満たされます。映像・演出・カメラワークは「THIS IS サム・ライミ」と言った感じ。序盤の[ニュー・ゴブリン]化したハリーの復讐的猛攻撃シーンは、まるでアトラクションの様なライド感とスピーディさで(若干見辛いですが)度胆を抜かれます。ヒロインMJとの恋仲をもつれさすニュー・ヒロイン[グェイン]が危機に直面する高層ビル落下救出劇、ピーターの伯父殺害の真犯人にして訳ありの砂怪人[サンドマン]とのバトル、90年代の原作ファンに絶大な人気を誇る最凶キャラ[ヴェノム]との戦い!そして男泣き必至の怒濤のクライマックス大バトル!!これだけでも盛り沢山の内容なのですが、さらにプラスワンされているのは主人公ピーターが終盤近くまで謎の物体[ヴェノム]に寄生されて(正しくはスーツに寄生)復讐心や嫉妬心が増加し[ダークサイド]に落ちてしまう描写です。ピーターの人間味がより強調される事によってドラマに一段と深みが増していました。そのパートで登場するブラック・スパイディは見た目もクールでなかなかカッコイイのですが、ピーター自体はダークサイドに落ちたアナキン・スカイウォーカーの様でとても怖かった(滑稽な部分もありますが)です。

と言う風に、今回登場する敵はシリーズ最多の3人(ブラック・スパイディ=自分との戦い部分を含むと4人)です。このシリーズの敵は怪物化前は根っからの悪人で無いのがポイントですね。さらにはピーターの周りの人物、叉は知る人物が敵になってしまうのもお約束です。

父ノーマンの遺志を継いで[ニュー・ゴブリン]となったハリーはピーターの大親友。しかし『1』で[グリーン・ゴブリン]と化した父ノーマンの命をスパイダーマンが奪ったと知り、さらに『2』でスパイダーマンの正体がピーターだと言う事を知ります。ハリーはシリーズを通して一番のキーとなる存在ですね。怒りと復讐は友情をも殺してしまうのでしょうか?果してハリーとピーターとの苦悩の戦いの結末は?

まるで『ハムナプトラ』を彷佛させる砂怪人[サンドマン]はピーターの伯父さん殺害の真犯人とされます。病気の娘に会う為に脱獄し、逃亡中にとある施設で実験に巻き込まれ誕生したのが[サンドマン]なのです。「伯父さんを殺したのには訳がある・・・」と必至に理解を求め説得をしますが相手は[ヴェノム]に寄生され[復讐心]の塊となったブラック・スパイディ(=ダーク・ピーター)!全く話を聞いてもらえずに容赦ない攻撃を受けてしまいます。そして[サンドマン]は病気の娘の事を優先して暴れ始めるのです。砂の一粒まで細かく粒子単位で描かれた身体や、唸り声を上げながら襲い掛かる巨大化した[サンドマン]のVFX、そして地下鉄でのブラック・スパイディとの攻防戦は必見ですよ!

シリーズ最凶の敵キャラ[ヴェノム]は、ピーターが教会でブラック・スパイディ・スーツを剥ぎ捨てた際に、そこにたまたま居合わせた([ある事]でピーターを憎む様になった)ライバルカメラマン、エディに寄生して誕生するのです。サム・ライムはこの[ヴェノム]と言うキャラクターをあまり好まれてない様ですが、コミックファン(特に90年代)の為に仕方なく登場させたそうです。ですので[ヴェノム]はシリーズ中では最凶かも知れませんが、監督の思い入れが少ない分(ファンに人気がある割りには)扱いは雑な方です。

様々なドラマやアクションが繰り返されて辿り着くのが怒濤のクライマックス!ここは本当に凄いです!まさに[完結編]にふさわしいラスト・バトルが展開されます。誰がどこでどうなってと、詳しく説明しながら解説出来ない(書いてもネタバレにはならないかも知れませんが、見る楽しみが無くなってしまいますから)のが辛いのですが、とにかく凄いです!スピードもスケールも、そして予想を裏切るドラマチックな展開が用意されているのです!これには正直参りました。途中まで堪えていた涙が一気に流れ出し涙腺はボロボロ状態に(;_;)イイ意味で卑怯な展開!男性なら男泣き必至です!

個人的評価としましては『2』よりかは面白いと感じましたが『1』には及ばずです。音楽もテーマ曲こそダニー・エルフマンでしたが残りのスコアを担当したクリストファー・ヤングの音楽に少し違和感を感じました。それでも満足度は高い方です。改めてこのシリーズを[ピーター・パーカー(成長)3部作]として見てみますと、展開の起伏や流れにも納得が行きますね。それは新旧『スター・ウォーズ』三部作と同じ感覚です。

とりあえずはこれで(一旦は)終りです。第四弾も実現すれば見てみたいですが、これで終っていて欲しい気もします。9.11以降、今まで以上に誰もが正義と平和を尊重し、ヒーローたる存在を求める様になりました。そんな時代に救世主のごとく銀幕に登場した親愛なる隣人[スパイダーマン]。その絶大な能力には大きな犠牲が伴い、正義を象徴するマスクの裏には皆と同じ苦悩する青年の姿があるのです。[スパイダーマン]はスーパーヒーローでありながら、そんな人間味溢れる魅力があるからこそ今もずっと世界中で愛され続けているのでしょうね。そんな親愛なる隣人[スパイダーマン]を現代に甦らせて、コミックの持つ世界観を見事に映像化してくれたサム・ライミ監督に大きな拍手を贈りたいと思います。
評価:★★★★
原題:SPIDER-MAN3
監督:サム・ライミ
出演:トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、ジェームズ・フランコ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、他

2007年度アメリカ作品/上映時間:2時間19分/鑑賞劇場:梅田ブルク7(大阪・梅田)

レビューの評価ポイントは (BAD) 〜 ★★★★★(GOOD) の10段階評価です
・・・1点 ・・・0.5点 ★★★★★・・・特星/個人的最高傑作

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