| サンシャイン2057 |
| <ストーリー> 今から50年後の近未来の地球は、太陽消滅と言う宇宙的規模の危機と向かい合っていた。人類は核爆発による太陽活性化を計画し、8人のプロフェッショナル達を宇宙船[イカロス2号]に乗せ希望を託した。ミッションが近付く中、[イカロス2号]は7年前に消息を経ったはずの[イカロス1号]からの救難信号を受け取る。クルーの話し合いの結果[イカロス2号]は針路を変更し[イカロス1号]へと近付くのだったが、、、 |
| いかにもダニー・ボイル監督らしい映画です 『トレイン・スポッティング』『ザ・ビーチ』『28日後・・・』『ミリオンズ』と常にセンセーショナルな作品を撮り続けるイギリス出身のダニー・ボイル監督の最新SF大作です。早速の余談ですが私、この邦題タイトルと内容を見て『クライシス2050』を思い出しました(^_^;)御存知の方、いますか?日本出資のハリウッドSF映画なんですけど。あちらとこちらとでは、太陽の危機設定が真逆なのが笑えます。監督は見てたのかな? さてさて、本題です。 宇宙船が登場するSFビジュアルを大画面で見るのはレンタルDVDを除くと実に『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』以来でしょうか?久しぶりにドキドキ・ワクワクな気分を味わえました。 ストーリーは絶滅寸前の太陽を活性化させる為に、その道のプロフェショナル8人が巨大核爆弾(マンハッタン島ほどの大きさ!)を搭載した宇宙船[イカロス2号]で旅立ち、様々な困難に立ち向かう、、、と言った感じでSF映画としてはとても(イイ意味で)王道な内容です。プロフェッショナルが過酷なミッションに挑むという設定は『アルマゲドン』『ディープ・インパクト』『ザ・コア』を、宇宙空間(船内)での恐怖を描く設定は『エイリアン』や『イベント・ホライゾン』を彷佛させます。本作がハリウッド映画でしたら、そんなタイプの作品に仕上がった事でしょう。現にそう言うタイプの映画だと思って劇場に足を運ばれた方も多いハズです。 確かに宇宙を舞台としたミッション系SF映画です。ただし監督はダニー・ボイルです。普通ではありません。と言いますか、イギリス映画なので(と言う表現は違いますか?)ハリウッド作品とはテンポやノリ、アプローチも異なっているのです。2057年の地球がどうなっていて、どれくらいの規模の被害が起きていて、人類がどの様な状況に置かれているのかは、殆ど語られず(「凍てついた地球を出発した」と言うセリフとラストシーンしか無い)『アルマゲドン』や『ザ・コア』の様なディザスター的な描写もありません。冒頭から既に長旅は始まっていますし、序盤は淡々としています。 中盤あたりから7年前に消息を経った[イカロス1号]からの救難信号を受け取って(イカロス1号に搭載されたもう一つの核爆弾を得てミッションの確率を上げる為に)針路を変更してしまうのですが、そこからが大変なのです(映画的には面白くなります)。誰が何をして、どうなってしまうかは詳しく書けませんが、極限状態に置かれた人間が、何を考え、どう行動するのか?と言う部分がクローズアップされて行きます。見ている側も、ミッションの本来の目的を忘れさせられてしまい、彼等の今そこにある危機に対して「何すんねん!」「どうすんねん!」と心配ばかりさせられます。あちこちに仕掛けられたダニー・ボイル監督のイジワルな試練・演出(例えば、とある脱出シーンで4人いて、一人は手動ハッチを作動させるのに残され、宇宙服は一着!とか)に何度もヤキモキさせられました。こんなミッション、分かっていたら絶対に関わりたくないですよね(>_<;) ラストに登場する○○○(唐突で説明不足で若干意味不明ですが)より、一瞬で物質を溶かしてしまう太陽風よりも、何よりも怖いのは人間そのもの。『ザ・ビーチ』や『28日後・・・』でもそうでしたが、ダニー・ボイル監督は本作でも人間の本来の姿、そして[愚かさ]などを容赦なく描いています。人類、いや地球誕生の源でもある[太陽]を目の前にして、いかに[人間]がちっぽけな存在なのかを伝えたかったのでは無いでしょうか?私はそう感じました。あと、巨大な核爆弾を前にして一人のクルーが「地球全ての核を注ぎ込んだ」と言うシーンに少し心打たれました。世界情勢が悪化する今を考えますと、このセリフに重みを感じますね。地球の危機を目前にして全世界が自国で所有する[核]を出し合ったと言うバック・エピソードの存在に人間の希望たるものを感じさせられました。もしこの映画の様な事がこの先にあったとしても、全世界がそう動いてくれる事を切に願いたいです。 俳優陣も皆、個性的でなかなか良かったと思います。船長役の真田広之も存在感がありましたし、戦わずして終始エコロジリストだったミシェル・ヨーも印象に残っています。『ファンタスティック・フォー』でジョニー・ストームを演じたクリス・エバンスも『ホワイト・ライズ』に出演したキャシー役のローズ・バーンもキャラが立っていました。中でも良かったのは『麦の穂をゆらす風』でお馴染みのアイルランド出身の俳優、キリアン・マーフィです♪何とも言えない彼特有の雰囲気と表情に魅了されていました。ファンには辛いでしょうが、終始キリアン・マーフィの悲痛な声を聞き続ける事になる事でしょう。物語が急展開する前にクルーそれぞれの性格や背後関係などをもう少し詳しく描いてもらえたら、より感情移入出来たのではないでしょうか? 映像ビジュアルはこれと言って特徴はありませんが、CGクオリティも良く見応えのあるものばかりでした。宇宙船しかり、巨大な太陽しかり、この手の映像はやはり大画面で体感するのが一番です。ただ残念に思ったのは、対比物がなくて(あっても太陽くらい)宇宙船の規模・大きさが伝わらなかった事、そして船内に置けるクルーの位置関係が分からなかった事です。ダニー・ボイル監督は、その辺はあまり必要視していなかったのでしょうか?でしたら仕方ありませんけどね。 |
| 評価:★★★☆ 原題:SUNSHINE 監督:ダニー・ボイル 出演:キリアン・マーフィ、真田広之、クリス・エバンス、ミシェル・ヨー、ローズ・バーン、他 2007年度イギリス作品/上映時間:1時間48分/鑑賞劇場:敷島シネポップ(大阪・難波) |
| レビューの評価ポイントは ★(BAD)
〜 ★★★★★(GOOD) の10段階評価です ★・・・1点 ☆・・・0.5点 ★★★★★・・・特星/個人的最高傑作 |