世界最速のインディアン
<ストーリー>
ニュージーランドのインバカーギルという小さな町に、1920年型のオールド・バイク[インディアン・スカウト]を40年もの間乗りこなし、自ら改造を続け[世界最速]の夢を追い求める老人、バート・マンロー(アンソニー・ホプキンス)がいた。歳だってもう若くない、身体にもガタがきている、そう実感し始めたモンローは、せめて生きている間に自分の[夢を実現させたい]と、世界最速のスピードを競い合う[スピード・ウィーク]が開催されるアメリカ・ユタ州のボンヌヴィル塩平原まで行く事を決意した。
夢追い続けるおじいちゃんの、感動ロード・ムービー♪

アカデミー俳優、アンソニー・ホプキンスが実在したドリーム・バイカー[バート・マンロー(1899ー1978)]を演じ、世界中の人々に感動と勇気を与えたロード・ムービーです。監督は『追いつめられて』『カクテル』『13デイズ』『リクルート』などで知られるロジャー・ドナルドソンです。ドナルドソン監督は72年にバート・マンロー本人と会い、彼のドキュメンタリー『Offerings to the God of Speed』を製作しています。脚本の書き直しと資金集めに時間が掛かりましたが、長年の時を経てようやく映画化が実現しました。

夢を追い続ける事_、夢を決して諦めない事_、
「誰だって、やれば出来るんだよ」_、
そんな希望溢れるメッセージをストレートに伝えてくれる暖かい作品です。

バート・マンローってカッコイイ人だなぁ、あんなお年寄りになりたいなぁ、この映画を見てそう思いました。一途で正直で人情的でどんな人からも愛される人、それがバート・マンローなんです。63歳にしてあの[情熱]。凄いです。いつ壊れるかも知れないオールド・バイクにまたがって時速100キロ以上を出して走るんですから!凄い、ただただ凄いです。私には怖くてとても真似出来ません(>_<;)。早朝からバイクをふかして御近所さんから叱られたり、若造バイカーからの挑戦(バイクレース)を受けてしまったりと、御老人でありながらのやんちゃっぷりも見ていてとても微笑ましかったです。そして物語が進んで行くうちに、彼はただ[バイク]が好きなのでは無くて[スピード]そのものに魅了された人なんだと言う事が分かってきます。誰に何と言われても構わない。たった一度きりの人生なのだから、その一生を掛けて自分の目指すべき夢をひたすら追い続ける。そんな彼の頑張る姿に感動させられました。

マンローは物語の中で様々な人と出会います。彼の家にいつも訪ねて来る隣の少年との関係はまるで『ニューシネマ・パラダイス』の様。渡米してからの旅の途中で出会う多種多様な人々(インディアンの人やオカマさんとの友情、さらには未亡人の女性との一夜だけの恋も!?)とのコミュニケーション・シーンは少しあっさりとはしてますが、それぞれが凝縮されたドラマとして描かれていて印象に残るものばかりでした。そして出会った人は皆、彼のひたすらな情熱に心を動かされ、協力し、励ましてくれます。「人間って、イイなぁ、、、」、何度もそう思いました。

クライマックスはマンローが夢見たバイカーの聖地での究極の挑戦。果して彼は[世界最速]の記録を勝ち取る事が出来るのでしょうか?彼の身体もバイクもボロボロです。大丈夫かな?そんなハラハラした気持ちのまま、目は画面に釘付けになっていました。そして彼の人生を掛けた挑戦が始まりました。真っ白な塩平原の中を一直線に走り続ける姿は、彼の人生そのものの様にも映りました。まっすぐ、ひたすら真直ぐにー

もし、劇場が私一人でしたら、間違い無く拍手をしていた事でしょう。だってこのお話、実話なんですもの。さらに驚いたのはエンドロール前に表示されるテロップです。凄い人です、バート・マンロー!恐るべし情熱人、バート・マンロー!そんな彼を活き活きとした演技で楽しませてくれたアンソニー・ホプキンスにも拍手を送りたいです。今までも様々な役柄を見せてもらいましたが、本作での演技は過去最高だと(個人的には)思います。人間味に溢れていて押し付け感も飾り気も全くありません。ひとつひとつの仕種や表情のどこを取っても自然で、それが演技である事を忘れさせてくれます。あの笑顔も、苦しむ顔も、微笑ましいキスシーンも、喜びのダンスも。まるでモンロー本人を見ている様でした。[ボウンヌヴィル塩平原]に到着した時、マンローがうっすら目に涙を浮かべて、過去にこの聖地で偉業を達成した人達の記録を語る場面があります。このシーンに心打たれました。今も忘れられません。何気なく映されていますが、このシーンこそ本作一番の[名場面]だと思います。
評価:★★★★★
原題:THE WORLD'S FASTEST INDIAN
監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:アンソニー・ホプキンス、ダイアン・ラッド、ポール・ロドリゲス、アーロン・マーフィー、アニー・ホイットル、他

2005年度:アメリカ・ニュージーランド作品/上映時間:2時間07分/鑑賞劇場:テアトル梅田(大阪・梅田)

レビューの評価ポイントは (BAD) 〜 ★★★★★(GOOD) の10段階評価です
・・・1点 ・・・0.5点 ★★★★★・・・特星/個人的最高傑作

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