ローズ・イン・タイドランド
<ストーリー>
麻薬中毒者の両親と共に暮している少女ローズ(ジョデル・フェルランド)。ある日、ドラッグの過剰摂取で母親が死んでしまい、ローズは父親ノア(ジェフ・ブリッジス)と共にテキサスの草原にポツリと建った亡き祖母のボロ家に住み移る事となる。父親はそこで再びドラッグに溺れ始める。一人残されたローズは唯一の友達であるバービー人形の頭と共に彼女は[妄想の世界]を歩き始める。
美しくも残酷なギリアム的ワンダーランド

鬼才、テリー・ギリアム監督が現代版「不思議の国のアリス」と言われているミッチ・カリンのベストセラー小説「タイドランド」を持ち前のセンスとブラック・ユーモア、そして驚異の映像マジックを駆使して映画化しました。自分で作り上げた[妄想]の世界で遊び場を探す孤独な少女ローズが体験する少し残酷なワンダーランド・ストーリーです。

テリー・ギリアム監督作品は個人的に『バンデットQ』『未来世紀ブラジル』『バロン』『フィッシャー・キング』『12モンキース』『ラスベガスをやっつけろ』あたりが好みです。前作『ブラザーズ・グリム』は映像こそギリアム的でしたが、アプローチがいかにも[ハリウッド的]で毒を抜かれた感じ(アレでもです)でしたので少し残念に思ってました。でもこの『ローズ・イン・タイドランド』ではいつもの[ギリアム節]を活かしてくれてましたので、なかなか楽しめました♪

ドラッグに死体=はく製、頭だけの人形=お友達、そして○○な登場人物など、とてもゴールデンタイムには放送出来そうにない要素が満載。普通ならそこで引いてしまうのですが、ギリアムの魔法に掛かれば、それらは[おとぎ話]のアイテムであり住人となるのです。VFXを駆使したダークかつファンタジックな映像は意外と控え目です。現実と幻想の世界をさまようローズの姿を淡々と描いた作品なのです。

お話も映像も音楽も良かったです。途中でバケーションが帰らなくなったジョフ・ブリッジスも印象的。しかし一番凄いのは主人公ローズを演じたジョデル・フェルナンドでしょうね。劇中続けられる[頭だけ人形]とのコミュニケーションは無気味ながらも微笑ましく感じました。おそらく当時は10歳前後(現在は12歳)だった子役さんですが、大人の女優顔負けの演技を披露してくれています。ポスト[ダコタ・ファニング]な子役と言っても過言では無いと思います。少女らしいあどけなさに見えかくれする大人びた目つきや仕種。この子はきっと素晴らしい女優さんに成長する事でしょうね。彼女の名前、よく覚えておきましょう。

まるで一気に現実に引き戻されるかの様なラストも印象的でした。[巨大サメ]を退治したのは[艦長]だったのでしょうか?ローズはあのまま幸せになるのでしょうか?決してハッピー・エンドとは思えない終演も、ギリアム的でとても良かったです。
評価:★★★★
原題:TIDELAND
監督:テリー・ギリアム
出演:ジョデル・フェルランド、ジェフ・ブリッジス、ジェニファー・テイリー、ジャネット・マクティア、他

2005年度イギリス・カナダ作品 / 収録時間:1時間57分

レビューの評価ポイントは (BAD) 〜 ★★★★★(GOOD) の10段階評価です
・・・1点 ・・・0.5点 ★★★★★・・・特星/個人的最高傑作

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