| あるいは裏切りという名の犬 |
| <ストーリー> パリの[オルフェーヴル河岸36番地]にあるパリ警視庁には次期長官の座を争う2人のベテラン警視がいた。正義感があって常に仲間や家族の事を想うレオ(ダニエル・オートゥイユ)、そして自己中心で野心家のドニ(ジェラール・ドパルデュー)。2人はかつての親友であり同じ女性カミーユ(ヴァレリア・ゴリノ)を奪い合った過去を持っていた。ある日マンシーニ長官(アンドレ・デュソリエ)は次期長官にレオを任命。その事にどうしても納得が行かないドニは連続武装強奪事件の捜査中にレオを[罠]に掛ける。レオは投獄されそれまでの人生と誇り、同僚、そして妻カミーユの命まで奪われてしまう。その間ドニは警視庁長官に就任する、、、それから7年後、レオは模倣囚として出所し全ての決着をつける為にドニと再会するのだった。 |
| ひたすら渋〜い、[男]の映画です この作品は元警察官だったオリヴィエ・マルシャル監督が実話を基にして映画化したフィルム・ノワール的なフランス犯罪映画です。原題の『36QUAI DES ORFEVRES』とは[オルフェーヴル河岸36番地]の事でそこにある[パリ警視庁]そのものを意味するそうです。主演はダニエル・オートュイユ、ジェラール・ドパルデュー。主演俳優も作品も非常に[渋い]です。本作の評価は高く既にロバート・デ・ニーロ×ジョージ・クルーニー共演でハリウッド・リメイクも決定しているそうですね。監督が元警察官だけに前半から見せる様々な人間関係描写、権力争いや暴力シーンはとてもリアルで生臭いのですがどことなく美的に映ります。物語も思った程ややこしくありませんしテンポも良い方です。両派に付くサブキャラクター(個人的にはレオの部下ティティが良かった!)も魅力的でした。さらには物語を象徴するかの様に暗くて湿った感じに写し出されたフランスの風景、各シーンの映像、音楽も印象的で良かったと思います。家族と友情、正義と野心、愛、誇り、そして裏切りと復讐と言う[フィルム・ノワール要素]と[ツボ]がギッシリと詰まっていて最後まで飽きさせません。この映画には見る者を引き付ける魅力とパワーがあります。「最後はどうなるのか?」と言う期待感よりも「最後はどう終らせるべきか?」と言うまるでレオになった気持ちで見てました。最後は意外な伏線によって[決着]がつけられますが、このシーン(瞬時の伏線回想シーンを含めて)がまた非常に良かったです。そして見終えた瞬間、たまらない程の虚しさと切なさが押し寄せて来ました。 香港ノワールの傑作『インファナル・アフェア』ほどの泣きと評価には至りませんでしたが主演2人の渋い演技、及び主人公2人の対立し合う人間関係描写はとても良かったと思います。あと少しカミーユとの過去(三角関係)を描いてもらえたら後半の展開にもっと心理的な深みが増していたのではないでしょうか?久しぶりに渋くて熱い[男の映画]を見させてもらいました。 余談:カミーユを演じたヴァレリア・ゴリノ、、、どこかで見た顔だと思っていたら、、、『ホット・ショット』のあのヒロインの人でした! |
| 評価:★★★☆ 原題:36 QUAI DES ORFEVRES 監督:オリヴィエ・マルシャル 出演:ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー、ヴァレリノ・ゴリノ、他 2004年度フランス作品/上映時間:1時間50分/鑑賞劇場:テアトル梅田(大阪・梅田) |
| レビューの評価ポイントは ★(BAD)
〜 ★★★★★(GOOD) の10段階評価です ★・・・1点 ☆・・・0.5点 ★★★★★・・・特星/個人的最高傑作 |