MOVIE REVIEW 2006 VOL.7 ■
レビューの評価ポイントは (BAD) 〜 ★★★★★(GOOD) の10段階評価です
・・・1点 ・・・0.5点 ★★★★★・・・特星/個人的最高傑作

エラゴン 意志を継ぐ者
ERAGON(米2006)
★★★☆
監督:シュテフェン・ファンマイアー 出演:エド・スペリーアス、ジェレミー・アイアンズ、シエンナ・ギロリー、他:1時間44分
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とてもお手頃なファンタジー映画です♪

アラゲイジア帝国はかつて誇り高き竜乗りの戦士[ドラゴンライダー]によって守られていた。しかし一人の裏切り者ガルバトリックス(ジョン・マルコヴィッチ)によりそれは破られ帝国は彼に支配されてしまった。そんなある日、貧しい村の農家で暮す少年エラゴン(エド・スペリーアス)は森の中で偶然、この世に数少なく現存するドラゴンの卵だった発見するのだった、、、

2003年、当時17歳だったクリストファー・パオリーニが書き上げたファンタジー小説を最新のVFXと豪華俳優陣共演で映像化!2006年最後の鑑賞となった作品です。本作は[可もなく不可もなく]と言う感じでとても[お手頃なファンタジー映画]に仕上がってます。『ロード・オブ・ザ・リング』の世界観に『スター・ウォーズ』をミックスした様な内容と書けば大体の世界観は伝わるかと思います。この手の作品としては珍しく短いランニングタイムです。なのでその分の[端折った感]も否めません。にも関わらず若干の長さを感じてしまったりと、、、。王道で分りやすいのは結構ですが、もう少し丁寧さが欲しいかったですね。ドラゴンCGも正直、今となっては驚きはしませんし飛行シーンでも感動する事は出来ませんでした(映像慣れしてしまった自分が悲しい)。唯一私がこの映画で楽しめた部分はやはり豪華な脇役陣ですね。ジェレミー・アイアンズ、ジョン・マルコヴィッチ、ロバート・カーライル、そしてドラゴンの心の声を担当したレイチェル・ワイズ♪なんて魅力的なんでしょう。思い返せば本作はそんな豪華な顔ぶれに助けられた感じの[ギリギリA級ファンタジー作品]かも知れません。でも決して酷評される様な映画では無いんなんですよ。ホント[可もなく不可もなく]な[お手頃なファンタジー映画]なんです。「ああ、何かちょっとだけファンタジーな気分味わいたいなぁ〜」と思っている人にお薦めです♪一応、3部作の様なのでとりあえず続編を期待したいと思います。

unknown アンノウン
unknown(米2006)
★★★★
監督:サイモン・ブランド 出演:ジム・カヴィーゼル、グレッグ・キニア、バリー・ペッパー、他:1時間25分
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小粒でキレの良い[シチュエーション・スリラー]

厳重なセキュリティー・ロックで閉鎖された廃棄工場内で意識を取り戻した5人の男。彼等は皆、全ての記憶を失っていた。そこに鳴り響く一本の電話。相手の話により5人の置かれた状況が明らかになる。5人のうち2人が[人質]で3人が[誘拐犯]。数時間後に訪れる誘拐犯のボスと仲間達。彼等が訪れた瞬間[人質]なら殺され[誘拐犯]なら生き残れる。お互いが敵か味方か分からないと言う[疑心暗鬼]の状況の中で5人は工場から脱出すべく協力を始めるのだが、、、

所謂[シチュエーション・スリラー]の類です。うん、スリラーと言うより犯罪サスペンスですね。いかにもミニ・シアターで上映される感じの[小粒]な犯罪スリラーですがアイデアも面白くて演出やカメラワークも凝っています。ランニング・タイムも短く展開はスピーディ。閉ざされた工場内で記憶を失った5人の男達が誘拐犯グループが戻るまでお互いを疑いながらも協力し合う[カウントダウン]的な緊迫感も味わえます。その間にそれぞれが[フラッシュバック映像]を通して徐々に記憶を取り戻していきます。自分が[人質]又は[誘拐犯]だと思い出した時に押し寄せる何とも言えない複雑な心情がクライマックスへの展開に影響していくのです。正直言えば誰が[人質]又は[誘拐犯]かが判明してもあまり驚きはありませんでした。ですので本作は『スクリーム』や『マインドハンター』等の[犯人探し]要素のあるスリラーと違うタイプと言えますね。どちらかと言うと『メメント』あたりが近いかも。大きなドンデン返しも無く終わるのかな?と思わせましたが最後(クライマックス辺り)にちょっとしたサプライズがあったので嬉しかったです。工場内だけでは無く外側にも動きがあって、ちゃんと工場内とリンクしているので割と世界観は狭く感じませんでした。登場人物も皆、個性的ですので混乱する事は無いでしょう。生理的に受け付けない映像ばかりの『ソウ3』なんかより断然面白いです。

カオス
CHAOS(米2005)
★★★★☆
監督:トニー・ギルリオ 出演:ジェイソン・ソテイサム、ウィズリー・スナイプス、ライアン・フィリップ、他:1時間47分
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この面白さ[予測不可能]!!

シアトルにあるグローバル銀行が武装した強盗団によって襲撃される。客と銀行員を人質に取った強盗団のリーダー、ローレンツ(ウィズリー・スナイプス)は交渉人にコナーズ刑事(ジェイソン・ステイサム)を指名する。そのコナーズ刑事は以前[パール橋事件]で人質と犯人を死なせてしまい相棒を辞職に追い込み[停職処分]を受けていたのだ。指名された彼を現場復帰させる為、上司であるジェンキンス警部(ヘンリー・ツェーニ)は新人のデッカー刑事(ライアン・フィリップ)を連れて来る。早速二人は現場に向いローレンツとの交渉に試みるが想定外の事態が発生し強盗団は一人残らず姿をくらましてしまったのだ。唯一の手掛かりはリーダー、ローレンツの残した言葉。「カオス(渾沌)の中にも秩序と言うものがある」、、、

主演は『トランスポーター』シリーズのジェイソン・ステイサム、『ブレイド』シリーズのウィズリー・スナイプス、そして『父親たちの星条旗』でのフレッシュな演技が記憶に新しいライアン・フィリップです。B寄りアクション好きにはたまらない顔合わせのクライム・サスペンス・アクションの傑作です。劇中で展開されるアクション(銃撃戦やカー&バイクチェイス)も凄いですが何と言っても面白いのは二転三転、四転(笑)する先の読めないストーリー(脚本)です。反則ギリギリでセオリーを無視する様な掟破り的な後半の展開は度胆を抜かれました(唖然となります)。終盤の驚愕の種明かしシーンは「あっなるほど」と思わず拳をポンッ!。気持ち良く騙されたって感じで最後に笑ったアノ人物に「アッパレ」を表したいです♪同じ様な作品でスパイク・リー監督の『インサイドマン』、そしてブルース・ウィリスの新作『16ブロック』に足りなかった(で、やって欲しかった)要素がギッシリ詰まっています。

タイトルの[カオス]とはギリシャ語で[渾沌]や[無秩序]を指します。ウィズリー・スナイプス演じる強盗団のリーダー、ローレンツが説く言葉に登場する[カオス理論]には「どんなに計算された物事も僅かな誤差で予測不能になる」と言った意味があるそうです。これは別名[バタフライ効果]と言うもの。確かにそんな内容だった気もしますが、あまり物語には関係なかった気もします(笑)。これから鑑賞する人はその辺の意味はあまり深く考えないで観る方が素直に楽しめると思います。ある部分の謎を解く[鍵]は[カオス][バタフライ効果]を説いた実在する2人の教授の名前、、、(未見の人は調べないでネ!)
面白いのはそんなストーリーばかりではなくて登場する三人の個性的なキャラクターもそうです。正義感があってアクティブなジェイソン・ステイサムは男臭い魅力たっぷりで文句無しです。ウィズリー・スナイプスも悪役ながら安定していてかなりの存在感です。そして意外だったのはジェイソン・ステイサムの相棒を演じたライアン・フィリップです。彼はかなりの頭脳派でみなぎる闘志はベテランのコナーズ刑事(ジェイソン・ステイサム)と同格でしょう。思った以上に動いて見せますし主役張りに活躍したりします。『父親たちの星条旗』で彼に注目しちゃった人は是非本作をお楽しみ下さい♪

正直言いましてこの映画はB級(愛を込めて!)です。私が上で書きました[二転三転、四転する先の読めないストーリー展開]や所謂[驚愕の真実]は使い古されたテクニックですし上品なものとは言えません(なので★5つとなりませんでした)。ですが本作は[映画]として面白いのです。[理屈]さえ持ち出さなければミステリー映画として、クライム映画として、そしてアクション映画として十分に楽しめる[娯楽作品]なのです。真実を知った上でも楽しめそうなのでDVDが出ましたらもう一度鑑賞してみたいと思います。いや〜ホント面白い映画でした。この映画、一連の[ドンデン返し系]が好きな人にお薦めです♪

007 カジノ・ロワイヤル
CASINO ROYALE(英・チェコ・独・米2006)
★★★★☆
監督:マーティン・キャンベル 出演:ダニエル・クレイグ、エヴァ・グリーン、アッツ・ミケルセン、他:2時間24分
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人間味溢れるリアル・ボンドの誕生!

[MI6]英国諜報機関に所属する若きエージェント、ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は2つのミッションをクリアし[殺しのライセンス=00(ダブル・オー)]を取得する。そして[M(ジュディ・デンチ)]より[00(ダブル・オー)]としての最初の任務を受ける。その内容は世界のテロリスト達の資金源である[謎の男]の正体を暴く事。ボンドはまずマダガスカルで[謎の男]に雇われている爆弾魔モロカ(セバスチャン・フォーカン)を追いつめるが、まんまとフランス大使館内に逃げ込まれてしまう。そこでボンドは国際ルールを破りモロカを射殺してしまう。その結果、彼の行動はマスコミで非難され[M]は窮地に立たされる。そんな中、ボンドはモロカの残した僅かな手掛かりを元にバハマ諸島へと飛び姿を消してしまう、、、

シリーズ第21作目。私が初めて劇場鑑賞したボンド作品です。ジェームズ・ボンドが[007]になるまで、、、と言うより「なった直前」の物語。今までのボンド・シリーズを製作して来た[イオン・プロダクション]が2000年になってようやく原作者イアン・フレミングから映画化権を取得。『007 ゴールデン・アイ』でも監督を務めたマーティン・キャンベルが再びメガホンを取りました。主演は新ボンド発表時から批判されて来たイギリスの個性派俳優ダニエル・クレイグです。私のボンドのイメージは今までずっとロジャー・ムーア(3代目)だったのですが本作で見事に更新されました!ダニエル・クレイグに!確かに周りで言われている様にちょっと[悪役顔]ではありますが[00(ダブル・オー)]に成り立ての向こう見ずでクールな今回のヤング・ボンド役にはピッタリだと思います。人間味溢れていて肉体的でワイルド。アクションでもリアルに傷付いて(毒をもられたり強烈な拷問シーンがあったりボンドが死なないと分かっていてもかなりの危機感を感じます!)恋愛も真剣モードです。これこそが私が求めていたジェームズ・ボンドなのかも知れません。

ストーリーに沿った感じで登場するいつもの[銃口バキューン]のシーンから入る色気無し(ヌード女性シルエットね)のオープニング・タイトルはまさに『カジノ・ロワイヤル』なトランプをイメージしたお洒落でアートスティックな画面です。そして早々に展開されるアクションシーンや銃撃戦ではシリーズお約束の[有り得ない秘密兵器]や[SF的ギミック要素]を極力抑えた感じのリアルかつアクティブな演出で楽しませてくれます。セバスチャン・フォーガン演じる爆弾魔モロカとの肉弾チェイス・シーンはまるでジャッキー・チェンの映画か[ヤマカシ]を観ているかの様です(セバスチャン・フォーガンはフリーランニングの第一人者!)。高所でのアクロバティックでスリリングな一連のアクション・シーンは大画面で観ると冷や汗が出ますよ!あと中盤近くに空港で展開されるカー・チェイスもド迫力でクライマックス級の興奮度を味わえます。

残念ながら(個人的には残念では無いと思います)アクションに関しましてはその空港シーンで頂点に達してしまってます。後半はタイトルにもなっています[カジノ・ロワイヤル]でのマッツ・ミケルセン演じる[謎の男=死の商人ル・シッフル]とのカード対決(所謂、心理的な掛け合い)を通してストーリーが展開されていきます。私個人もう少し[ポーカー]のルールを詳しく知っていればもっと楽しめたかも知れない後半戦。なんせ[国家の金1500万ポンド]VS[テロ資金]ですから規模が違います。ルールを知らなくてもかなりドキドキさせられました。

『007』と言えば[ボンド・ガール]です♪今回の[ボンド・ガール]は(前半にイタリア系フランス女優カテリーナ・ムリーノ演じるテロ工作の仲介者の妻も登場します)資金監視役として英財務省から派遣されてきたヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)です。エヴァ・グリーンはとても綺麗な女優さんです。『キングダム・オブ・ヘブン』の時はあまり好きになれませんでしたが今回のヴェスパー役はとても良かったです。ドレス姿も非常にセクシーでした。恋愛の駆け引きではヴェスパーの方が上でボンドがタジタジ状態だったのが新鮮に感じました。人の[死]に初めて直面し硬直するヴェスパーを優しく抱き寄せるシャワーシーンも印象的でした。そんなボンドの彼女への[ラブ度]は超真剣で辞任を考えるくらいなのです。しかしサスペンスフルかつスペクタクルなクライマックスの攻防戦で訪れる[ある事件]をきっかけにボンドはそれ以後、女性に恋をしますが決して愛を深める事をしなくなったのですから、、、ある意味ボンドを本当の[00(ダブル・オー)]にしたのはヴェスパーだったのかも知れません。

シリーズ・ファンとして今回の『カジノ・ロワイヤル』はどうか?と言う事ですが個人的には大満足です。ボンドのトレード・マークでもありますタキシードやドライ・マティーニの誕生や[決めセリフ]を初めて使うシーン、さらにアストン・マーティンDB5の意外な入手方、等シリーズファンなら思わずニヤリな瞬間が多々用意されています。まさに[エピソード1]的な楽しみがあるのです。[エピソード1]的ですが設定が現代だと言う事には驚きました。今までのシリーズは完全にリセットされた訳です(笑)。

かなり長くなってますね(汗)もう少しなので御辛抱を!

総評的に今回の『カジノ・ロワイヤル』は?ですが、文句無しです。と書きながらも評価が★5つ、叉は『M:I:III』の様に得★(星)にならなかった理由はやはり本作の作りが思ったよりも[地味寄り]でエンターテインメント作品として楽しむにはチョット、、、と感じたからです。しかし何度も書きますが近年の[ボンド作品]としてはかなりの良い出来です。前半のアクションもリアルな派手さがありますし後半のカードバトルは本当にハラハラドキドキさせられます。旅行番組並に見せてくれるボンドの行く世界風景も綺麗です。美女との真剣モードの恋愛劇もグッド♪シリーズ史上もっとも最長とされるランニングタイムもあっと言う間でした。エンド・クレジットの最後に「James Bond Will return...」と書かれていましたから22作目もあるのでしょう。勿論、主役はダニエル・クレイグ!(なハズです)。今から楽しみにしたいと思います。そしてダニエル・クレイグの次なる最大のミッションは[007]ファンに[新ボンド]として受け入れられる事でしょうね。

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